日々の社会科:日本の行方不明者について

日々の社会科

あなたは、どこに。

学校に行ったきり、帰ってこない。
会社を辞めて、どうしたの。
どこまで買い物に行ってるんだ。
病気なのに、なぜ出ていったの。
外に行ったら家がどこだかわからない
状態なのに。

警察庁のデータによると、
届け出を出された行方不明者は、
令和4年度で84910人。

割合は、20代30代までが
4割ほど。

原因は、10代以下は家庭関係、
20代30代は仕事関係、
60代を超えると認知症や
疾病関係が高い割合を占める。

1年以内に73000人以上は
見つかっているものの、
過去に届け出があった人も
含まれていることもあり、

行方がわからないままの人は、
年間5000人から10000人に
上ると見られている

84910人のうち、
認知症は18709人。

届け出が出された人のうち、
ほとんどは1週間以内に見つかり、
認知症の人の場合は97%は
発見、保護されているが、
亡くなって見つかった人も
年間500人近い。

行方不明、失踪、は
ほぼ同義である。

所在がわからない、
そしてその人を探している人がいる、
ということで

自らの意思でいなくなったにせよ、
何らかの事情で連絡が 
取れなくなったにせよ、
事故や犯罪に巻き込まれたとしても、
行方不明者、失踪者である。

届け出が出された、と
いうだけでこれだけの人数、
それを考慮すると

実際の行方不明者は
どれほどいるのか、
わからない。

また、数が急増しているのが
9歳以下
である。

年間1000人以上になる。

理由は、家庭関係が
30%以上を占め、
家庭から逃げ出すために
子どもたちは
いなくなるのだ。

大半は家出や迷子で
無事に見つかるが、
まれに誘拐のケースもある。

児童の行方不明の場合は
家族が中傷されたり、
詐欺に遭うケースも
起こっている。

行方不明者が
いくつであっても

家族を苦しめるのは、
「生死すらわからない」と
いうことである。

生きていると信じたい、
そう、思わないと
心も身体も壊れてしまう。

だから、生きているなら
連絡して欲しい。

ドラマなら、
記憶喪失だったが
なにかの拍子に思い出して
戻ってきたり、

事件に巻き込まれたが
自力で脱出してきた、など
感動的にすることもできるだろう。

しかし、実際は
辛い現実に涙する人々が
少なくない。

警察庁の統計の残る
1966年以降、
63万人の所在が不明なまま
である。

また、「特定失踪者」とは、
北朝鮮に拉致された
見られる人々を指す。

連れ去られたり、
消されたり、

あるいは借金のかたに
どこかで働かされていたり

病気を苦にして出ていったり

宗教組織に入ってしまったり。

こうしている間にも、
どこかで誰かがいなくなっている。

今自分の周りに
大切な人がいてくれること、
自分がここにいる、と
大切な人が知ってくれて
いること、

それは当然のように
与えられたものではないのだと、
気付いているだろうか。

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