身近にありすぎて、実はその正体を知らないものって意外にあるものです。
5月29日は語呂合わせから、こんにゃくの日です。
実は何者?こんにゃくについて知ってみましょう。
いつもそこにあるものって思ってたけど、そういえばよく知らないかも!
こんにゃくという名の由来
こんにゃくは漢字で「蒟蒻」と書きます。
中国語の「クニャク」からきています。
意味は「弱い根菜」なのです!
弱い根菜ってなにそれ、と思うのですが、実はこんにゃくの栽培はとても大変なのです。
一人前になるまで3年もかかり、とにかくデリケートなのです。
葉に傷がついても病気になり、強い日光も風も干ばつもダメ。
「運玉」という別名もあるほどで、農家泣かせなのです。
そんなにやわなお芋だったのねー。
こんにゃくの作り方
それでは、こんにゃく芋を入手したら、どうやってそれをこんにゃくにするのでしょうか。
まず、こんにゃく芋は刺激が強く、素手で触れるとかぶれるため、手袋が必要です。
芋を洗って皮をむき、カットして茹で、さらにすりおろします。
それを1-2時間置いている間に石灰水を作ります。
石灰水とすりおろした芋を混ぜ合わせ均一になったら型に入れて放置します。
固まったら一般的な板こんにゃくくらいの大きさにして茹で固めます。
採用するレシピによって表現は違いますが、やりかたは一緒です。
製粉を使うと、芋を茹でてすりおろす手間が省けます。
ご家庭で挑戦するのも楽しいですね.
手作りこんにゃく、楽しそうー。
こんにゃくの歴史
中国から伝わったとされるこんにゃくですが、そのままではエグミが強すぎて、茹でても焼いても食べられません。
猿やイノシシにも食べられないのです。
鎌倉時代、室町時代には庶民にも広まっていましたが、灰汁でエグミを取り除かないと無理なため、とにかく大変、収穫される秋限定の食べ物でした。
そんなこんにゃくでしたが、江戸時代に水戸藩(いまの茨城県)の中島藤右衛門なる人物が、こんにゃく芋を、粉にすることを考案して、成功したのです。
水戸藩の財源になるとともに、こんにゃくを一年中どこでも食」してくれたのは、藤右衛門のおかげになのです。
なお、こんにゃくのあく抜きに使うのは昔は草木を燃やした草木灰、いまは消石灰、炭酸ソーダを使っています。
食べられるようにするのがそんなに大変なんだ、びっくり!
こんにゃくの種類
こんにゃく、と一口に言っても売り場にもいくつもならんでいますし、形状によっても呼び名が違います。
まずは白いこんにゃくと黒いこんにゃくがありますね。
白いこんにゃくは粉にした製粉を使ったものであり、生芋を使うと芋の皮が入り、黒っぽくなります。
製粉利用の製品の方が多いので、白いこんにゃくが多いはずなのですが、黒い方がなじみがあったり生芋利用に見えて良さそうに思えるからか、黒いこんにゃくも出回っています。
黒いこんにゃくの全部が生芋利用ではなく、海藻の粉末で色を付けたものも少なくないようです。
また、近江八幡では赤こんにゃくが名産です。
織田信長が色を付けさせて赤くした、という説が出回っていますが、裏付けはなく、近江商人が他との違いをきわだたせるために作った、とか精進料理で刺身の代わりにつかわれた、など諸説あります。
そして、糸こんにゃくとしらたきは基本同じものです。
固まる前のこんにゃくを細い穴に通して茹でたもの、つまり成型の仕方が普通のこんにゃくと違うものです。
今はこの作り方に一貫されているため、糸こんにゃくとしらたきの製造方法は同じです。
江戸時代、関西では板こんにゃくを細く切ったものを糸こんにゃくと呼んでいたので、いまだに糸こんにゃくという呼び名になっています(日本こんにゃく協会による)。
こんにゃくのプルプルはグルコマンナン。
寒天やゼラチンのように温めると溶ける性質はないため、煮物や炒め物に使えるというわけです。
水分が97%くらいのため、冷凍すると美味しさは失われます。
栄養分はそれほどないイメージですが、食物繊維とカルシウムが含まれていて、しかも太りにくいのです。
便秘解消、ダイエットの大きな味方となります。
美味しくてからだにもいい、こんにゃくステキ。
こんにゃくについて知ろう、まとめ
そのままではまずすぎる、しかも栽培が難しい厄介を食べられるように工夫を重ねてくれた先人たちに感謝を伝えたくなります。
しらたき(糸こんにゃく)がすき焼きの肉を固くする、と言われているのは濡れ衣です。
世界からも注目されている日本独特の食材,こんにゃく。
味のしみた煮物がいいかな、田楽がいいかな。
こんにゃく、いただきましょう。
- 「蒟蒻」は中国から伝わったもので、「弱い根菜」という意味を持ち、とてもデリケートな野菜である。
- そのままではとても食べられず、あく抜きを石灰で行って食べられる。
- 江戸時代に水戸藩の中島藤右衛門が粉にすることに成功して一年中食べられるようになった。
- 基本的に生芋利用が黒っぽいこんにゃく、粉利用なら白っぽくなる。
- 糸こんにゃくとしらたきは、現在では全く同じ製法で作られるものである。
- 食物繊維とカルシウムが豊富である。
今すぐ食べたーい。
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