鎌倉殿の13人!鎌倉時代の衣装は何?

鎌倉殿の13人

NHK大河ドラマ2022「鎌倉殿の13人」、いよいよ源平合戦が始まり、目が離せません!

いままであまり馴染みのない鎌倉時代初期の物語、今後の展開にワクワクします。

登場人物もキャストも魅力ですし、かれらの着ている衣装も気になります。

衣装について、風俗考証の佐多芳彦さんが、Twitterで詳しく解説してくださっていますので、そちらをまとめてご紹介したいと思います。

現在3回お伝えくださっていますので、また追加されたら適宜更新いたします。

よしときくん
よしときくん

みんな着ているものに意味があるそうだ。

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鎌倉殿の13人!坂東の人々の衣装は?

鎌倉殿の13人!の鎌倉時代の衣装、まずは主役の北条義時をはじめとする、坂東の人々の衣装についてです。

現代の私たちからすると、戦国時代も鎌倉時代も昔のもの、と思いがちですが、現代と戦国時代の時代差は400年ほど、そして、戦国時代と鎌倉時代初期の時代差も400年ほど。

戦国武将たちは、わたしたちが彼らを見るようなまなざしで、頼朝や義時を見ていたことになりますね。

そんな鎌倉時代の武士たちは、そして女性たちはどのようなものを身にまとっていたのでしょうか。

鎌倉殿の13人!坂東武士の装束

今回、わかりやすくするためもあり、坂東武士たちの衣装はみな直垂(ひたたれ)という服装に烏帽子を被ることにまとめられているとのこと。

直垂とは、衿が現代の着物のようで、上着と袴が共布です。

日常のものとしては、素材は植物繊維、主に麻になります。

木綿が普及するのは江戸時代まで待たなくてはなりません。

さらに、帯の色にはこだわらない、北条義時や宗時が着ているのはこのスタイルです。

では頼朝の装いが高貴さを感じさせるのはなぜなのか。

それは、素材です。

頼朝の直垂は非常に上質の絹製であり、さらに同色の白い帯を締めています。

これは、直垂の中でもタキシードのような格の高さを表しています。

この直垂は」もともと庶民のものだったのが、この頃から武士たちは直垂と烏帽子という組み合わせを、室町時代、江戸時代と着続けることになります。

忠臣蔵の松の廊下のような裾が長いのは、ここから何百年か後の世界です。

直垂から袖を取って同じ色の袴を履くと裃(かみしも)となり、このように時代とともに服装が変わっていくのが分かります。

鎌倉殿の13人!女性の衣装

政子をはじめとする、女性陣は袖(こそで)を着て、湯巻(ゆまき)を巻いています

小袖とは、いまの着物の原型になったもので、袖幅がやや狭く、袖丈の短いものです。

袖口の広い大袖に対して名づけられたもので、平安時代には公家装束の下着のような役割でしたが、この頃から表着として広く普及するようになりました。

湯巻とは前掛けのようなもので、この人は家事をしている、という意味合いを持たせているようです。

政子は頼朝の妻となっても家事をしている(していますね)という設定なので、湯巻をしているとのこと。

キャラクターに合わせた色も使用されているでしょうし、こういったところも楽しんでみたいですね。

よしときくん
よしときくん

そう、私が着ているのは緑色の直垂である。

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鎌倉殿の13人!源氏や平家の人々の衣装は?

続いては、源氏や平家の人々の衣装です。

坂東武士たちとは違って、朝廷に近く、天皇に仕えていた彼らは、朝廷や公家の装束をまとっています。

うっかりすると見過ごしてしまうのですが、それぞれ身分や状況に合わせた装いをしていることにお気づきでしょうか。

普段着と公の場の装いの違いなども、聞いてなるほどです。

佐多さんの解説はとてもわかりやすく、これ以降の時代劇の衣装も楽しめること間違いなしです。

鎌倉時代の13人!源氏の装い

まずは、頼朝が以仁王の令旨を受け取った時の服装です。

ここではいくら絹素材であっても、直垂ではありません。

頼朝が着用しているのは水干(すいかん)です。

水干というのは、朝廷や院に雇用されている武士たちが、朝廷の一員であると示すためのフォーマルな格好です。

つまり、武士としての正装を意味するもの。

衿が丸く、上着の裾を袴の下にはきこみ、襟を紐で結んでいるのが、水干です。

ポンポンのようなものもついていますね。

頼朝は征夷大将軍になったあとも、重要な儀式では必ず白い水干を着ていて、白というのは染色されていない、最も無垢な穢れていない意味合いを持っています。

頼朝としての矜持、自己主張があったのかもしれません。

以仁王とともに挙兵し、敗れ去る源頼政が着ているのは狩衣(かりぎぬ)です。

水干との違いは、狩衣は上着を袴にはきこみません。

シャツをパンツの上に出すみたいな感じでしょうか。

また、首のところにリボンのようなものを通しています。

鎌倉時代の13人!平家の装い

平家側の衣装を見てみましょう。

彼らは都にあって、官位をもらい、貴族となっています。

平清盛の息子,平宗盛が着ているものは、直衣(のうし)です。

これは貴族がプライベートで着るものですが、部屋着ではなく、改まった装いです。

長く袖もたっぷりとした上着に指貫(さしぬき)と呼ばれるゆったりとした袴で、刀を差したり馬に乗ったりするのには向いていないかもしれません。

なので、狩衣を着ていた人が多かったようですが、直衣の方が狩衣より格上の装いです。

そして、平清盛が着ているのが法衣(ほうえ)です。

袈裟をかけるのは人前に外で会う、仏前で祈るときなので、普段は着ていません。

鎌倉時代の13人!女性たちの装い

また、政子の着物も徐々にきれいな色合いになっていますが、小袖とは湯巻という形は変わっていません。

政子と義時の父、時政の若い後妻であるりくは、京都出身ということもあり、貴族の娘の格好です。

袿重ね(うちきかさね)、または重ね袿と呼ばれるもので、単衣の上に袿を何枚か重ねて着て、下に袴をはいています。

小袖に湯巻の政子たちとは明らかに違いますね。

よしときくん
よしときくん

服装が変わると気分が変わるのう。

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鎌倉殿の13人!烏帽子ってずっとかぶっているの?

三回目は、男性たちが被っている烏帽子についてです。

イメージとしては頭に乗せているだけで、落ちそうだから普段はどこまでつけているのだろう?

と、あまり烏帽子について考えたことはありませんでした。

コラムで知ってびっくり、烏帽子の真実を知ることができます。

烏帽子について

烏帽子といえば、貴族が被っている長いものがイメージされるかと思います。

あれは貴族のスタンダード、立烏帽子(たてえぼし)です。

武士たちはそれよりも格下になるので、一家の頭領のみ立烏帽子で、それ以外は畳んだ折烏帽子(おりえぼし)侍烏帽子(さむらいえぼし)を被っていたのが、史実です。

畳んだところに髻(もとどり)をぎゅっと入れて、少々動いても取れないようになっているのです。

馬に乗ったり戦に行くときは、さらに紐をかけてあごの下で結び、取れないようにしています。

烏帽子は取らないの?

当時は、元服からずっと烏帽子を被っていました。

「頭頂部を人前にさらす」というのは、この上なく恥ずかしいこととされていました。

元々は貴族の文化ではありますが、武士にも浸透していたようです。

兜を被るときにも烏帽子は外しません。

鎌倉時代の13人では、兜に穴が開いていてそこに烏帽子の端と髻の上が出るタイプと、もうひとつ烏帽子を髻の上からしっかり紐で結んであるタイプと用意しているそうです。

流鏑馬の時にも烏帽子は被っていたとのことで、もし人前で外れたりしたら、しばらく出てこられないほどのダメージを受けるそうで、下着が取れてしまうような感じだったのでしょうか。

烏帽子がそんなにも大切なものだったとは意外でしたし、興味深いですね。

よしときくん
よしときくん

烏帽子が人前で取れるなんて考えただけでも赤面だ–!

武士の烏帽子、その後

そんなにも武士にとって大切なものだったはずの烏帽子ですが、たとえば織田信長の肖像画では烏帽子など被っていませんよね。

いつごろから被らなくなったのでしょうか。

はっきりとこの頃、と線引きができるわけではありませんが、そもそも朝廷側で作られた風習であるので、武士の世が続くことによって,「いらないんじゃないか」ということに気づいてしまった、ということのようです。

被らない方が楽ですしね。

室町時代の終わりころには朝廷に行くときのみ烏帽子を被り、普段は被らなくなっていたようです。

肖像画においては、武田信玄など折烏帽子と直垂というパターンと、信長のように烏帽子なしで肩衣(直垂の袖無し)を着ているものとありますので、戦国時代あたりではっきりと変わってきたのかもしれません。

よしときくん
よしときくん

なんとっ、アタマ丸出しとはありえないぞ!

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鎌倉殿の13人!鎌倉時代の衣装は何?まとめ

鎌倉時代の衣装を見ると、日本の服飾史の中でも変化が起きてきている時代なのだな、と思われます。

貴族の衣装からから武士の装束が生まれ、さらにそれが武士のありかたによって変わっていくのです。

ついついドラマの筋書きを追うことにいっぱいいっぱいになってしまいますが、登場人物の装束に関心を向けてみると、さらに面白いものになりそうです。

また、着ているものの色合わせなどを参考にすれば、普段の着るものについてもヒントを得られるかもしれません。

これからますます楽しみになる鎌倉殿の13人ですね。

よしときくん
よしときくん

私の着るものにも注目必須だな!

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