東京国立博物館創立150周年記念の特別展、「国宝-東京国立博物館のすべて」が始まりました。
開催初日の10月18日に行ってまいりましたので、その様子をご報告します。
実際、すごかったです!
どれか一点あってもその展示会の目玉になりそうなものばかりで、教科書で見たことのあるあれもこれもとうとう本物に出会えた!と驚きの連続です。
歴史好き、美術好き、書道好き、刀剣好きの方々には垂涎の的となるようなものばかりでした。
ただし、一度に89点の国宝すべてを見られるわけではありません。
展示期間は8つに分けられており、全体では4期になり、そのうちの3期に行けば全部見られるということになっています。
第一期10月18日から30日、第二期11月1日から13日、第三期11月15日から27日、第四期11月29日から12月11日となっています。
行ける方にも行くのは難しい方にも、知って下さると嬉しいです。
今回お伝えする内容は下記の通りになります。
★どのような展示があるのか。
★所要時間はどのくらい見ておくといいのか。
★観覧にあたっての注意事項・こうすればよかった情報。
★食事はどうすればよいのか。
お役に立てれば幸いです。
ええええ、全部見せてくれるの、太っ腹!
東京国立博物館国宝展の展示内容はこれ!
東京国立博物館国宝展の展示は第一部第二部に分かれています。
そのうち国宝は第一部、国立博物館の歩みが第二部になっています。
国宝は第一部だけかなどと思ってしまいそうですが、第二部に展示されているものも有名なものが多く、あ、これって重要文化財であって、国宝じゃなかったのか、見られてよかった!と思えるものが多く展示されています。
なお、基本的に撮影は禁止で、最後の展示の金剛力士像と見返り美人のみ撮影は許可されています。
それではさっそく見ていきましょう。
わあ、楽しみーー。
第一部:東京国立博物館の国宝
第一部の案内には、今回の展示で見られる東京国立博物館所蔵の国宝89点の名前が出ています。
ですが、4期に分けて全部を見られるように展示替えがありますので、第1期現在見ることができるのは61点になります。
絵画や書跡など、傷みやすそうなものほど展示替えされる対象になっています。
工芸品は比較的展示替えが少なく、全期間見られるものも少なくありません。
とりわけ、刀剣19点に関しては、全期間すべての者が見られます。
刀剣ファンには嬉しいね。でもやっぱり89点全部見たいなあ。
国宝/絵画
絵画は、時代順に並んでいます。
平安時代の十六羅漢像から始まり、普賢菩薩象、孔雀明王像の平安時代の絵画の色鮮やかさに驚かされます。
平治物語絵巻の生き生きとした様子を見てその時代が身近に感じられます。
そして、教科書でおなじみの雪舟の秋冬山水画!
思ったより絵が小さいこと、思ったより線がごつごつしていることに気付き、そして、水墨画の表現の豊かさに見入ってしまいます。
長谷川等伯の屛風の見事さにため息をつき、江戸時代の絵画にはなぜこれが国宝とされたのか、興味深いものが並びます。
岩佐又兵衛の洛中洛外図は、今回は見られませんでした。
国宝/書跡
書については疎いので、あまり語ることはできませんが、書というものはもしかしたら、絵画以上にその人を表すものだという印象を受けました。
素人でもおお、と思ったのは三筆のひとり、小野道風の書でした。
実に見ていて清々しい文字の方だと感じました。
のびのびとして美しい、気持ちの良い書でした。
医学書で面白かったのは、長生きする秘訣、美しくなる方法、身体のにおいを良くする方法が書かれていることでした。
人間変わりませんね。
元や明時代の中国の僧侶から日本の弟子にあてられた書もいくつかあり、おおらかな筆致が印象的でした。
国宝/東洋絵画・東洋書跡
東洋絵画と東洋書跡は数は多くありませんが、非常に美しいものでした。
紅白芙蓉図、雪景山水図は印象的で、前半しか見られないようです。
国宝/法隆寺献納宝物・漆工
こちらは入れ替えは一部で、全期間通しで見ることができるものが多いです。
飛鳥時代・奈良時代のものですので、絵画部門の平安のものより古くなります。
竹厨子、竜首水瓶など今でも普通に使えそうな工芸品のセンスの良さが素敵でした。
聖徳太子絵伝は展示スペースの関係か、(大きいので)展示は変わります。
考古
弥生時代、古墳時代やそれに相当する中国・朝鮮半島の時代のもの。
銅鐸や飾り物など美しいものが並びます。
おお、会えましたね、と言いたくなるのは武人の埴輪です。
フォルムがステキです。
国宝/刀剣
刀剣は展示替えがなく、見ごたえがあります。
天下五剣のうちの二つ、源頼光が酒吞童子を切ったとされる童子切安綱、三日月宗近をはじめ、由緒ある国宝刀剣を一挙にみられるのは見事です。
刀身が細いもの太いもの反っているものまっすぐなもの、それぞれが美しく、日本刀というものの美しさと恐ろしさを感じられるものとなっています。
刀剣乱舞ファンの女性たちの姿も多くみられました。
日本刀人気を作り出してくれてよかったなあと思います。
展示室は薄暗くなっています。
日本刀ステキ、でも切れ味の説明見てわおー、と思ったよ。
国宝展示はここまで、第一期では61点の国宝を見ることができます。
残り18点の国宝も見たかったらあと二回は来なくてはなりません。
第二部:東京国立博物館の150年
第二部は東京国立博物館の歩みと、皇室所蔵の美術品、これからの在り方を考えさせられる展示と続きます。
第一章:博物館の誕生
東京国立博物館は明治4年,1971年開館。
初期の展示品やウイーン万博で人気を博したもの、上野に移ってからの勧業博覧会の人気の様子が描かれたものなどが並んでいます。
明治10年の博覧会の一番人気は名古屋城の金のしゃちほこだったそうで、そのレプリカも置いてありました。
鎌倉時代の細工が見事な楽器の数々や小早川秀秋の陣羽織、明治時代の超絶技巧を駆使した鷲の像、彰義隊が戦った時の砲弾が刺さったものまで、幅広い展示がなされています。
第二章:皇室と博物館
国立博物館はもともと宮内庁管轄でしたが、戦後文部科学省管轄となりました。
皇室由来の美術品が展示してあるコーナーになります。
和宮内親王がお召しになった装束や人形、キリンのはく製などなかなか面白い展示内容となっています。
また、赤坂迎賓館に飾られている七宝の花鳥図の図画を間近で見られたのは壮観でした。
家形の埴輪や、これまた教科書で見たことのある一休和尚の肖像画など、本物を見られたのは感慨深いものがありました。
また、松方コレクションの数々に有名どころの浮世絵が多く飾られていたのも心躍る展示でありました。
東洲斎写楽の大首絵に葛飾北斎の富岳三十六景、歌川広重の月と雁など、うわさに聞いたことはあるものの、これが本物か、、、と、その美しい色彩を楽しむことができました。
え、キリンのはく製?わたしも大丈夫かな?
浮世絵はそれだけで展覧会ができそうだね!
第三章:新たな博物館へ
国宝だけでない、東京国立博物館所蔵の有名品の数々が並びます。
これって国宝じゃなかったのか、とかえって驚くことになります。
このコーナーも知っているものが多くて楽しい展示でした。
目を引くのが、尾形光琳の「風神雷神図屛風」です。
東京国立博物館は風神雷神グッズを常に売っているので、これが本物かあと感慨もひとしおです。
屛風はやはりしっかり色を重ねてあり、鮮やかさに目を見張ります。
宇宙人のようなあの土偶はぬいぐるみやバッグにもなって売られていました。
値段もつけられないような茶碗の数々に、鎧兜まで。
金剛力士像と見返り美人は写真撮影が許されていました。
東京国立博物館国宝展を鑑賞のための所要時間はどのくらい?
一通りしっかり鑑賞して3時間半ほどかかりました。
見たいものがしっかり決まっていて、あとはいいや(例えば刀剣だけじっくり見られればいいなど)という見方でしたら、もっと短くすることは可能だと思います。
国立博物館の案内には2時間ほどで出てくださいみたいに書いてありましたが、それは難しいのでは。
滞在時間が限られている方、体力的に心配な方は見たいものを決めていかれないと、最初からじっくり見すぎると、後半に時間や体力が足りなくなる恐れがあります。
ある程度何を見たいのか目的をはっきりさせていくのもいいかと思います。
初めの方はみなさんしっかり並んで全部見ていますが、仏画や書跡にそれほど興味がなければざざっと見るくらいにしておくとか。
東京国立博物館の特別展はボリュームがあるので、いつもそれ以外の展示を見る余力がなくなってしまうのが残念なところでもあります。
今回は国宝、国宝級のものがずらりと並んでいることもあり、それらの美術品の持つパワーも半端なく、体調を整えておでかけになることをおすすめします。
さらに、グッズを買いたい場合はプラス一時間ほど用意した方がいいかと思われます。
初日にいったせいもあるのか、グッズの会計の列の長さが半端なかったです。
図録だけでしたら専用レジで買えますが、ひとつでもほかのグッズを買う場合は、かなりの時間並ぶようでした。
レジが2つほどしかなかったのが原因だと思われます。
会期が進んで改善されているといいのですが、グッズに関しては日時により今後も混雑が予想されます。
時間はたっぷりとっておくに越したことはないでしょう。
土偶ちゃんのぬいぐるみと刀剣乱舞グッズは手に入れるよ!
東京国立博物館国宝展の鑑賞についてのおすすめ・注意事項
これについては、箇条書きにいたします。
- 上記の通り、鑑賞時間は余裕を持つか、時間を決めて行動するのがおすすめです。
- 荷物は国宝展の入口の二階にあるロッカーに入れてなるべく身軽に鑑賞するのがおすすめです。
- 展示会場はほぼ薄暗いので足元などにご注意ください。
- どれも近くで見られるので,オペラグラスは特に必要ありませんが、じっくり見たい方は美術品用単眼鏡を持参されると良さそうです。
東京国立博物館国宝展・食事はどうすればいい?
東京国立博物館には、ホテルオークラレストラン「ゆりの木」、「ガーデンテラス」で優雅に食事をすることができます。
そちらに行かれる方はそれでOK。
ですが、そこまで移動したくない、手軽に安く済ませたい、鑑賞したらすぐに食べたい、という方は以下の二つの方法がおすすめです。
・敷地内にいるキッチンカーを利用する。
⇒博物館入り口近く、国宝展をやっている平成館の手前に2台のキッチンカーが止まっていますので、そこでテイクアウトするか、近くのベンチで食べることができます。
・持参したものをドリンクコーナーで食べる。
⇒家からお弁当を持ってくる、もしくはコンビニなどで購入したものを、平成館一階のドリンクコーナーで食べることができます。
購入する場合、駅を出てしまうと、公園口を出たところにある小さなコンビニエンスストアしかありませんので、駅ナカで用意されていくことをお勧めいたします。
上の二点が費用もかからず、鑑賞の前後に時間もかけずに食べられるため、おすすめです。
なお、鑑賞後に食べたい場合は荷物になるので、ロッカーに置くのがいいかと思います。
駅ナカのコンビニでおにぎりとおやつを買っていこうかな。
東京国立博物館国宝展を鑑賞してのまとめ
これだけの美術品を一度に鑑賞できる機会は今後しばらく考えられないので、行くことができる方にはぜひおすすめします。
- 東京国立博物館国宝展は89点の国宝と有名美術品が一気に見られるまたとない機会です。
- 会期は2022年10月18日から12月11日まで4期に分けられ、そのうちの3期に来ると89点すべてを鑑賞することができます。
- 鑑賞時間はじっくり見ると3時間以上かかることもあり、グッズの購入に並ぶこともあるので、時間に余裕を見ておくか、時間配分を考えておくことが必要です。
- 荷物は2階のロッカーに入れておくことをお勧めします。
- 食事はキッチンカー利用か、持参したものを一階のドリンクコーナーで頂けば費用も時間も節約できます。
- なにより体力、調子を整えていってらっしゃいませ、素晴らしいです。
是非ともおいでください!国宝カードとスタンプラリーカードももらえますよ!
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